「成果を出す」と「チームをまとめる」
これらを同時に行うのはリーダーとして、難しさを感じたことはありませんか?
たとえば、部下への目標達成のプレッシャーを強くすると、チーム内の空気がピリピリしてしまう。
逆に、和気あいあいとした雰囲気を大切にしすぎると、雰囲気はいいけど結果が出なくなる。
実は、このジレンマを解決する鍵の一つとして「PM理論」にあります。
PM理論とは何か?
PM理論は、リーダーシップを2つの力に分けて考えます。
P(Performance)機能:目標達成に向けて引っ張る力
M(Maintenance)機能:チームの関係性を維持する力
この2つの力をバランスよく発揮することで、チームが成果を出しながら心地よい職場環境を保つことができます。もう少しでわかりやすい例で見てみましょう。
2人のリーダーの違い
Pが強いリーダーAさん。(Pm型):目標は達成したがチームの雰囲気が…
リーダーのAさんは非常にタスク志向です。
毎朝「今日の目標はこれだ!」と部下に宣言し、進捗が悪ければ厳しく指摘します。結果、目標は毎回達成されますが、部下たちは疲れ切っています。チームの士気は下がり、退職者が続出しました。
Aさんは、P(目標達成)は高いが、M(チーム維持)が低い。
結果、短期的な成果は出ても、長期的には組織が持たない。
Mが強いリーダーBさん。(pM型):雰囲気はいいけど成果が出ない…
リーダーのBさんは、」人間関係を大切にするリーダー。
頻繁にコミニュケーションをとり、雑談も多い。「楽しい職場」を作るのが得意ですが、肝心のプロジェクトが期日を過ぎても終わらないことが多々あります。また、目標の成果が未達ということも起こってしまう。
Bさんは、M(チーム維持)は高いが、P(目標達成)が低い。結果、雰囲気は良いが、成果が出ない。
リーダーシップの4つのタイプ
PM理論では、リーダーを以下の4つのタイプに分類します。これらは、PとMの機能の高低によって決まります。
PM型(高P・高M)
目標達成と集団維持の両方に優れたリーダー。
成果を上げつつ、チームの関係性や満足度も高める。
Pm型(高P・低M)
目標達成に優れるが、メンバーの満足や関係性の維持に関心が薄い。
成果は上がるが、チームの士気が低下する可能性がある。
pM型(低P・高M)
集団維持に優れるが、目標達成への貢献が少ない。
チームは和やかだが、業績が上がらない。
pm型(低P・低M)
目標達成と集団維持の両方が低いリーダー。
チームの成果も人間関係も低調になる。
理想のリーダー像とされるのがPM型
理想的なリーダーは、AとBのバランスを取ったPM型です。
たとえば、以下のような行動を取るリーダーです。
・目標達成の進捗を管理する(P機能)
・部下に「今のペースで問題ない?」「何か助けが必要?」と声をかける(M機能)
・結果が出たらチーム全員に感謝を示す(PとMの両方)
PM理論は、「成果」と「チームの満足度」という、リーダーにとって欠かせない2つの力をどうバランスさせるかの指標となります。
これからのリーダーシップには、どちらか一方ではなく、両方を高めることが求められます。あなたのリーダーシップがさらに輝くよう、PM理論をぜひ活用してみてください!
10分でできる!PM理論活用法
①自分のリーダーシップタイプを把握する
自分がP型寄りかM型寄りかを客観的に見つめましょう。チームメンバーにフィードバックを求めるのも効果的です。
②意識して弱点を補う行動を取る
Pが弱い場合は、目標の明確化や進捗確認を意識する事が重要です。Mが弱い場合は、部下との対話や感謝を示す行動を増やす事を意識してみましょう。
③バランスを定期的に見直す
チームやプロジェクトの状況に応じて、PとMの配分を調整する柔軟性を持つと、よりチームが活性化します。
「リーダーとしてどう振る舞えばいいかわからない」と悩む方にとって、PM理論は心強い指針となります。この理論を実践する中で、あなた自身のリーダーシップスタイルがさらに磨かれるはずです!
ぜひ、次のチームミーティングで試してみてくださいね。